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2007年10月02日

●本の旅 唯川恵

 実家の本棚にあった、唯川恵の『ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った』という文庫本を、柄にもなく読んでいる(苦笑)。

 20作以上の短編集で、今のところ印象に残ったのは、『壊れゆく女』と『結婚の条件』という作品。

 『壊れゆく女』は、長い付き合いだったカレシが1年間転勤するコトになって結婚話を持ち出されたけども、1年延ばすコトにした結果、彼が他の女性と結婚するコトになってしまった女の話。

 「彼は仕方なしにあの女と結婚する。赴任先で世話になった義理を果たさなければならないと思っている。だから、心を鬼にして8年も付き合った自分に別れを告げている。そういう律儀なところが彼にあった。」

 そう思い込んだ女は、元カレシへのストカー行為から、相手の女へのストーカーへと行動を悪化させていく・・・。

 孤独感から妄想に取り付かれていく過程が、何となくうなづける。そう信じ込まないと自分を維持できないというコトなのでしょうが、それによって社会的には自己崩壊していってしまうワケで、何ともオソロシイ・・・。自分も気をつけないと(笑)!

 『結婚の条件』は、恋愛を信じて純な気持ちで結婚しても破綻した友人、恋愛に背を向けて条件に見合うオトコと結婚して破綻した友人を見て、「いったい何が賢い選択なのだろう」とため息をつく女性が主人公。

 「・・・自分以外の誰かのために何かをしてあげるということを知らないまま、ひとりの食事に慣れて、面白いことがあっても隣で一緒に笑ってくれる人もなく、我を忘れてケンカをするという感情を味わうこともなく、気がつくと独り言が多くなってゆく今の生活の方が、果たして本当に幸福と言えるだろうか。」

 そう考えてため息をつく、というラストシーンは身につまされました。いや~、弱ったモンだ(笑)!

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