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2011年10月31日

●地歴部日記鯰絵 ( なまずえ )

 今から約160年前の1854年、当時の年号で嘉永7年(安政元年)の秋、M8.4の安政東海地震が発生した。

 この地震で起きた津波によって、下田に来て開国の交渉を行っていたロシアのプチャーチン提督の乗っていたディアナ号は沈没した。

 その翌日に関西四国地方を大地震が襲い、これを安政南海地震と呼ぶ。

 そして、その1年後に安政江戸地震が、江戸を中心にして起こるコトとなる。

 これらのいわゆる「安政の大地震」の後、庶民の間で大流行したのが「鯰絵(なまずえ)」であった。

 安政の大地震のような天災。ロシアやアメリカといった外航船の来航。時代の変化の中で、深刻な財政危機に苦しむ幕府や藩。

 東日本大震災。TPP問題に象徴されるグローバル化の波。日本の政府や自治体の財政危機。現代の日本とまったく似た危機的な状況が、この幕末の時代にあったわけだ。

 こうした危機的な状況に、多くの人々の精神は刺激を受けてとぎ澄まされ、不安と新しい時代への期待を持って、時代の流れに積極的に立ち向かっていく。そんな中で、「鯰絵」は大流行していった。

 そうじた幕末の庶民の抱えていた不安や、それと戦う強い精神力が、様々な「鯰絵」には感じ取れるという。

 この「鯰絵」の展示イベントが、静岡市の浅間神社内にある静岡市文化財資料館で行われていたので行ってみた。

 20枚ほどある「鯰絵」はユーモラスなモノが多く、なかなか面白い。

 写真の絵は、大地震を起こしてしまったコトを悔いて出家した鯰が、震災復興によって儲かった大工などの職人たちと、大数珠を回しながらお念仏を唱えて、震災での死者の霊をとむらっている(大念仏という)というコトらしい。

 「鯰絵」には、震災復興で儲けた職人や医者、損をした大商人などをユーモラスに風刺したモノも多い。

 震災やグローバル化の波に直面している現代の我々も、状況にビビッて引きこもるのではなく、新しい時代への期待と笑いの気持ちを持って、時代の流れ立ち向かっていくべきなんじゃないか、と思ったのであった。

 展示は11月27日まで、入館料200円でアリマス。


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