2012年02月08日

●図書委員会日記『イギリス近代史講義』

 歴史学は、普通の人間の生活に根ざした問題に取り組まないといけない。

 グローバリゼーションにどう対応するかという、現実の問題に関わって研究しなければいけない。

 つまり、世界各地の庶民の生活が、世界システムの作用を通じていかに結びつき、今日の状況を作り出しているのか。これを考えるのが、筆者の構想する歴史学の課題だという。

 まったく賛成。

 そして、「この本が、歴史を単語の暗記などではなく、大づかみにとらえる見方の一例となれば幸いです。」という巻末の言葉も興味深い。

 この本を読むと、「単語の暗記」に終始している高校での世界史・日本史教育のつまらなさを痛感させられる。

 歴史を大づかみにとらえ、将来を見通し、現在の問題を解決していくための知恵を絞る。

 このような知的行為の基礎となる歴史観。それを身につけるための、歴史教育に変わっていってほしいものダ。

 産業革命前からイギリスは、現在の日本と同じような核家族社会であり晩婚社会であったというコトを初めて知った。

 また、平均所得や福祉の水準が低いのは、第一次産業をベースにしている国。その次が第二次産業の国。そして、金融、サービス業など第三次産業中心の国が一番高くなるという法則。

 これは、現在の国際経済ではなく、産業革命以前のヨーロッパの国々を分析した結果導かれた「ぺティの法則」というモノなのだという。

 第一次産業がベースの国はフランス。第二次産業はイギリス。そして第三次産業はオランダ。一人当たりの国民所得は、オランダ、イギリス、フランスの順番に高かったのだという。

 などなど現在の日本のかかえる問題を考える上で、ヒントとなるようなコトをたくさん教えてくれる良書。

 「歴史は暗記モノ」と思われてる方は、ぜひ一度読まれたし。

 講談社現代新書で760円デス。