2006年06月30日

●映研日誌 「好きだ、」

精巧なガラス細工、手を触れたら壊れてしまうような繊細な世界が表現された作品。これが監督2作目という若手監督による珠玉の作品。昨年見た「リンダリンダリンダ」もそうだったけど、先行世代とは全く違う独自の表現スタイルが確立されていて、頭の後ろからはたかれたような衝撃を感じました。

数日後の今日、森田芳光監督の「間宮兄弟」を見る。現在の日本で名監督の地位を確立している森田の映画は、日活ロマンボルノ時代からの長い経験が積み上げられて確かにウマイ。音楽、カメラワーク、ロケ情景の美しさ、テンポのいい脚本などなど。直前に「好きだ、」を見ていなかったら、もっと単純に楽しめたかもしれません。

「間宮兄弟」の助演の沢尻エリカや北川景子は確かにキレイで可愛い。しかし、「好きだ、」の宮崎あおいや小山田サユリは美しい。ほとんどスッピンに近くて、衣裳も地味なのに・・。

 17年前に思いを伝えられなかった男女が再会するというだけのストーリー。カメラワークは単調、同じ情景がゆっくりと流れ、セリフ回しも淡々と・・。でも、忘れていた何かが伝わってくるんだ。自分にもそんな気持ちがあったんだ。そんな思いにさせてくれる作品です。ある意味で小津安次郎の系譜を受け継ぐ者とすら言えるのかも知れない。若手世代おそるべし。


2006年05月14日

●映画の旅 わたしの季節

今日の午前中は、かつての教え子が勤めている障害者施設が行なった映画上映会に行ってきました。映画のタイトルは、「わたしの季節」。滋賀県野洲市にある第二びわこ学園という重症心身障害児・者の施設を舞台としたドキュメンタリー映画。

40年間そこで暮らしている人々や、子どもたちの日常と心の風景がていねいに映し出されています。監督の小林さんは、昔沼津で別な作品の上映会を開いた時に来てもらって、じっくり話をしたことがありますが、飾らないエネルギッシュな人だったという印象が残っています。                
この映画もヘンなドラマ性を持たせようとせずに、そこで暮らす人たちの様子が飾り気なしに淡々と描かれているため、かえって何も考えるコトなく、その人たちの姿や気持ちを素直に感じることができる内容になっていました。

 この映画は多くの人たちのカンパによって制作されたとのことですが、それでも2004年度毎日映画コンクール記録文化映画賞、2005年度文化庁映画賞大賞、2005年度山路ふみ子映画賞福祉賞などを受賞したそうです。

 午後は日本平スタジアムで清水エスパルスの試合を観戦。見事1ー0でジェフユナイテッド千葉に勝ちましたが、決勝点を生んだDF市川の正確なセンタリング、GK西部の再三の好守、日本代表候補で長身のFW巻に競り勝ったベテランDF斎藤のヘディングなどが印象的。いずれも現在の代表候補にはならない地味なプレーヤーですが、その堅実で気合いの入ったプレーはスバラシイ。

 ちなみに、写真のエスパルスを応援するチアガールの女の子たちは全員ボランティアとのこと。何事も気持ちが大事!と思わされた一日でした。